10/12夜
10月の宮崎。昼間はまだ半袖で歩けるほどの陽気なのに、夕暮れの風にはかすかに秋の気配。そんな季節の狭間に、「秋を感じたい」と思い立って一心鮨へ。宮崎を代表する高級鮨店として名高いこの店は、食材も演出もまるで舞台のよう。暖簾をくぐる瞬間から、非日常が静かに始まります。
秋を味わう至福の鮨コース
最初に供されたのは銀杏餅。中にはカラスミ入りとウニ入りの二種。もっちりとした銀杏餅の中から、カラスミの塩気とウニの甘みが交互に現れ、口の中で秋と海が出会うような味わい。
続いてのあなごは、表面をふっくらと焼き上げ、上には贅沢に黒トリュフ。香りだけで一皿の世界が完成しています。子持ち昆布のぷちぷちとした食感、かますの脂の香り。
刺身は塩のお皿で楽しむ美味いやつ。ひらめの身と縁側、タイ、縞鯵。どれも厚みのバランスが絶妙で、包丁の仕事にため息が出るほど。特に縞鯵のねっとりとした旨みは、この季節ならではの濃さです。
温物のアラ煮は美味しい日本酒と塩で他には味つけなし!酒の旨みとアラの身の旨みの相乗効果で素晴らしい一皿。隠し味程度に入った柚子胡椒の働きが見事だった。続くマナガツオの幽庵焼きでは、柚子の香りが秋の静けさを呼び込み、これにワインを合わせるとまさにペアリング!一心鮨の真骨頂をみた。
そして圧巻の一皿がフォアグラベースの茶碗蒸し。蟹(ガザミ)とフカヒレ、そしてキャビア。フォアグラの濃厚さを下地に、蟹の旨みとキャビアの塩味が幾層にも広がり、複雑でありながら美しい調和を奏でます。
ここから鮨の部へ。
中トロ、大トロ、芽ネギトロで始まり、脂の流れを感じさせる構成。途中の焼き松茸が香りの中休みとなり、その松茸と大トロを合わせた鮨では、香ばしさと甘みが重なり合い、まさに“秋の贅沢”。
二巡目の鮨では、棒鯖鮨、赤貝、太刀魚(山わさびのせ)、金目鯛、イカ、ウニ、かつお、エビ、穴子と続く。ひとつひとつに明確な個性があり、口の中の温度が変わるたびに季節の情緒が移り変わっていく。
玉子二種で流れを締め、追加の縁側、干瓢巻き、キャビア巻きで静かに幕を下ろす。
最後の栗のアイスが、秋の終わりを告げるような優しい甘さ。
ワインペアリングとの相性も見事で、食後には幸福感と軽やかさだけが残りました。
採血データの観察 ― UA8.5→8.6、TG180→234
今回の採血データは、一心鮨に行く当日の昼と、翌日の昼に測定したものです。

- 尿酸値(UA):8.5 → 8.6
- 中性脂肪(TG):180 → 234
つまり、“贅沢な鮨ディナーの翌日”に、このわずかな上昇が見られました。
構成された食材を振り返ると、フォアグラ、キャビア、大トロ、ウニ、トリュフなど、脂質とプリン体を多く含む高級食材が中心。そこにワインのアルコールも加わり、TG(中性脂肪)の上昇は予想の範囲内といえます。
一方で尿酸値は+0.1と小さな変化にとどまりました。
これは、前日の摂取内容に対して水分摂取量や排泄のタイミングがうまく働いた結果かもしれません。
高プリン体食でも、翌日のデータが大きく乱れなかった点は興味深いところです。
特に印象的だったのは、数値よりも体感の軽さ。
高脂質のコースをいただいた翌朝も体が重くならず、むしろ穏やかな空腹感と快調さがありました。
「美味しいものを心から楽しむこと」は、数字の上昇以上に代謝全体に良い影響を与えているのかもしれません。
🍂 終わりに ― 食とデータの共存
秋の一心鮨は、職人の手仕事と旬の香りが交わる場所でした。
食材の力と技が織りなす一皿一皿は、まさに“季節を味わう実験”。
そして採血という定点観測を通じて見えてくるのは、
「良い・悪い」ではなく、食べることと生きることのバランス。
数字を眺めながら、また次の一食を楽しみにする。
それが、Dr.Dの自由研究のいちばんの醍醐味です。
点数 4.5点
点数の意味
5—人生最後の日はこのお店❗️
4—人に勧めても間違いない
3—何度も通いたくなるお店
2—人にお勧めする時には選択肢に上がらないけど普通に美味しいよ
1—あんまり…かな
0—もう行かない



















