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  • 宮崎の秋を食べる──松茸とはも、ヤマタロウガニの味噌丼まで。「Washokuたか木」で出会った一夜限りの滋味

    前半:食の記録

    今年の宮崎は、例年よりもずっと暑い夏でした。その影響で、秋の味覚・松茸の収穫量もぐっと少なめ。それでも運良く「今日は地物が入ってますよ」と声をかけていただいた日の夜、向かったのは「Washokuたか木」。季節の移ろいを一皿ずつ感じさせてくれる、宮崎の名店です。

    最初の一品は、栗のすりながし。とろりとした自然の栗の甘みに、ほのかな塩気が舌に残ります。温かい器の中に、秋の始まりをやさしく閉じ込めたような味わい。そこから、四角豆の天ぷら、鮎の一夜干しの天ぷら、そしてカリッと香ばしい骨せんべいと、香りと食感のリズムが続きます。特に鮎の天ぷらは、一夜干しならではの凝縮した旨みが印象的でした。

    続いてのお椀は、はもと松茸。松茸の芳香がふわりと立ちのぼり、鱧の淡い甘みと共に口の中でほどけていきます。夏の名残と秋の深まりが同居するような、短い季節の境目を感じる一椀です。

    そしてこの日の主役ともいえる一品、ヤマタロウガニの味噌(10匹分!)とキャビアの丼。濃厚な旨みに、キャビアの塩味が重なり、口中に“川と海の深み”が広がる。贅沢でありながら、決して派手ではなく、どこか野趣を感じる味わいでした。

    お造りは、ちゃいろまるはたの炙りとかますの炙り。どちらも香ばしく炙られた皮目の下に、透明感のある身が光ります。続くのは、とまん牛サーロインの炙りと松茸。和食の中にさりげなく現れる肉料理が、季節の流れをさらに豊かにします。松茸が脂と相性のいいと言われる所以を実感しました。

    中盤には、シロアマダイと蓮根餅、むかご。そこに添えられるのは、数種類の出汁を吸わせたどんこ椎茸と厚揚げ。素材の輪郭を消さず、丁寧に引き出す「たか木」らしい一皿です。締めには松茸ご飯、そしてヤマタロウガニと伊勢海老の味噌汁。宮崎の海と山、両方の恵みを余すことなくいただきました。

    デザートは、ねり栗の中に紫芋の餡。栗の香りと紫芋のやわらかな甘みが、秋の余韻をそっと包み込みます。

    ──これぞ「食運」に恵まれた夜でした。

    後半:血液データの観察

    さて、翌日の採血結果です。

    • 尿酸値(UA):8.0 → 8.2 mg/dL
    • 中性脂肪(TG):225 → 234 mg/dL

    どちらも軽度の上昇ですが、想定の範囲内でした。今回のコースの中で特に影響がありそうなのは、やはりヤマタロウガニ味噌とキャビア丼でしょう。甲殻類の内臓部にはプリン体が多く含まれ、味噌部分は特に濃縮されています。文献値から推定すると、ヤマタロウガニ10匹分の味噌=プリン体およそ400〜500mg前後(予想値)。これは一食としてはかなり高めです。

    また、キャビアもプリン体量こそ少なめ(約30mg/100g)ですが、脂質は豊富。さらに牛サーロインの炙りや伊勢海老の味噌汁など、脂質を含む料理が続いたため、翌日のTG上昇(+9)は自然な反応と考えられます。

    それでも、数値の変化は穏やか。塩分や糖質を抑えた献立構成と、ゆっくりとした食事のリズムが、急激な代謝変動を防いでくれたのかもしれません。

    「美味しいものを、丁寧に、ゆっくり食べる」──医学的な教訓ではなく、経験的な実感として、やはりこの一言に尽きます。

    【まとめ】

    宮崎の秋を五感で味わいながら、自身の血液データを静かに観察する夜。食運に恵まれたこの日の記録は、単なるグルメ体験ではなく、「食べること」と「身体の反応」を対話させるようなひとときでした。

    点数 4.3点

    点数の意味

    5—人生最後の日はこのお店❗️

    4—人に勧めても間違いない

    3—何度も通いたくなるお店

    2—人にお勧めする時には選択肢に上がらないけど普通に美味しいよ

    1—あんまり…かな

    0—もう行かない

  • 食材を指定して楽しむことが出来る「勝しん」

    9/25 夜 2

    「今日はどうしても伊勢海老が食べたい」——そんな気分になる日ってありますよね。せっかくなら鮮度抜群のものを、最高の状態で味わいたい。そんな時に頼りになるのが、食材を指定して予約できる割烹料理店。宮崎でその代表格といえば、やはり 勝しん です。


    伊勢海老メインの刺身盛り合わせ

    最初に登場したのは、伊勢海老を主役に据えた刺身の盛り合わせ。皿の中央に堂々と盛り付けられた身は、透明感のある濃い色合いで、見るからに新鮮。箸で持ち上げるとプリプリというよりも「ぶりんぶりん」とした弾力で、噛むと甘みが弾け出します。

    これぞ伊勢海老の醍醐味。濃厚で奥行きのある旨味が口いっぱいに広がり、「やっぱり来て良かった」と心から思える瞬間です。


    ヤマタロウガニの衝撃

    伊勢海老の余韻に浸っていると、「こちらもぜひ」と出していただいたのが ヤマタロウガニのボイル。正直、それほど期待していなかったのですが、一口食べた瞬間に衝撃を受けました。

    まず、他の店で食べるカニよりも圧倒的に味が濃い。身自体の旨味がしっかりしていて、さらに味噌は甘みが強く、まるでクリームのように舌に絡みつきます。そして驚くほど臭みがなく、雑味が一切ない。大将曰く「下処理が違う」とのことですが、ここまで差が出るものなのかと感心しました。

    正直に言うと、この日のMVPは伊勢海老ではなくヤマタロウガニ。あまりに美味しくて「次はヤマタロウガニ尽くしでお願いしたい」と思ったほどです。


    伊勢海老のボイルで豪快に

    続いて登場したのは、念願の 伊勢海老のボイル。刺身とはまた違った迫力があります。

    火が入ることで身が引き締まり、ぎゅっと凝縮された甘みが力強く感じられる。豪快にかぶりつくと、殻の香ばしさも相まって「海の恵みを食べている」という満足感に包まれます。刺身の繊細な甘みと、ボイルの濃厚な旨味。どちらも甲乙つけがたい美味しさです。


    味噌汁と〆の幸せ

    最後は伊勢海老の頭を使った 味噌汁。濃厚なだしが溶け出し、体の芯まで温まるような一杯です。そこに香ばしいおかかおにぎりと、さっぱりとしたお新香が添えられ、最高の〆となりました。

    高級食材を味わった後でも、こうした素朴なご飯と味噌汁が心を満たしてくれる。この落差もまた割烹料理の醍醐味だと感じます。


    お酒とともに

    この日の席では、日本酒を2本、さらにシャンパンを1本開けました。伊勢海老やカニの濃厚な旨味に負けない華やかな香りと切れ味。料理との相性も抜群で、贅沢なひとときを演出してくれました。


    まとめ

    「伊勢海老が食べたい」と訪れた勝しんでしたが、思わぬ発見は ヤマタロウガニの美味しさ

    • 伊勢海老の刺身は濃厚でぶりんぶりんの食感
    • ボイルは豪快さと甘みの凝縮を楽しめる
    • ヤマタロウガニは味噌の甘みと濃厚さで衝撃的な美味しさ
    • 〆の味噌汁とおにぎりで心から満たされる

    料理もお酒も大満足の夜。次回はぜひヤマタロウガニ尽くしをお願いしてみたい、そう思わせる晩餐でした。

    💉 採血データ観察記録:高級食材と数値の関係

    翌朝の採血データは以下の通り。

    • 尿酸値(UA):7.8 → 8.7 mg/dL
    • 中性脂肪(TG):112 → 104 mg/dL

    尿酸値はかなり上昇。
    伊勢海老とヤマタロウガニ——どちらもプリン体を多く含むため、一晩の変化として大きいですが、しょうがないかと思わせる甲殻類の量でした。

    一方で、中性脂肪はわずかに低下。
    脂質そのものが少なく、たんぱく質中心の献立だったことが影響したのかもしれません。
    いずれにしても、**「贅沢な食事を楽しんだ代償を受け止めなければ」**として思うもののまたカニを食べたくなってる私でした笑。

    点数 4点

    点数の意味
    5—人生最後の日はこのお店❗️
    4—人に勧めても間違いない
    3—何度も通いたくなるお店
    2—人にお勧めする時には選択肢に上がらないけど普通に美味しいよ
    1—あんまり…かな
    0—もう行かない