9/13夜
福岡を訪れるたびに気になっていたお店「タヴェルナ ティベリーナ」。宮崎の名店「らんぷ亭」のシェフが「福岡で一番好きなお店」として名前を挙げていたことから、ずっと訪れてみたいと思っていた憧れのお店です。今回ようやくその扉を開くことができました。
クラシックなイタリアンをアラカルトで
お店のスタイルをひと言で表すならば、「クラシックなイタリアンをアラカルトで楽しめる場所」。宮崎の「らんぷ亭」をイタリアンに置き換えたようなイメージがしっくりきます。肩肘を張らず、それでいて一皿ごとに本物の味わいを感じさせてくれる。そうした絶妙なバランスこそ、この店の魅力なのでしょう。
特に印象的だったのは、前菜やお通しの「何気ない一皿」がとにかく美味しいこと。シンプルでありながら味の奥行きがあり、調味の加減にシェフの感性と技術を感じました。
名物「クッカーニャ」
この店の代名詞とも言えるのが「クッカーニャ」。イタリア語で「桃源郷」を意味する言葉を料理名に冠するあたり、すでに期待は高まります。実際に口にすると、その名に恥じない至福の味わいでした。
自家製パスタの「トンナレッリ」に胡桃を中心としたナッツのソースを合わせた一皿。ナッツの香ばしさと甘み、オイルのまろやかさ、パスタの弾力が重なり合い、口の中で豊かなハーモニーを奏でます。シンプルなのに驚くほど奥深い。思わず「胃袋が許すなら全種類のパスタを試してみたい」と思わせられるほどでした。
この日いただいた料理
今回のコースは以下の流れでした。
- お通し
古代えんどう豆を使った「イタリア版おやき」。素朴さの中に豆の香りが立ち、食欲をやさしく刺激します。 - 前菜盛り合わせ
季節の野菜を中心に、生ハムや自家製パンを添えた盛り合わせ。野菜の甘みや酸味、塩気のバランスが絶妙で、「日常の延長線上にある非日常」を体現したような皿でした。 - ヒグマのボリート
日本では珍しい「ヒグマ」を煮込んだ料理。味わい深い赤身肉にパセリのソースを合わせると、不思議な軽やかさが加わります。重厚な食材を爽やかに仕上げるあたりに、クラシックイタリアンの技法を感じました。 - トンナレッリのクッカーニャ
名物料理。胡桃を中心にしたナッツソースが絡む自家製トンナレッリは、この日のハイライトのひとつ。香りと食感が重層的で、一皿で記憶に残るインパクトを放ちました。 - 大分・方牧牛の赤身(ミスジ)のビステッカ
赤身の旨味が濃厚でありながら、繊細な焼き加減によって肉の柔らかさが際立ちます。肉本来の風味を堪能できるシンプルかつ力強い一皿でした。 - セミフレッド
食後のデザートには半冷凍のアイス菓子、セミフレッド。軽やかな甘みが余韻を整え、豊かな食事の締めくくりにふさわしいものでした。
ドリンクとの調和
料理を引き立てたのはドリンクの数々。イタリアビールから始まり、グラスでスパークリング1杯、白ワイン3杯、赤ワイン2杯。さらにグラッパ、最後はエスプレッソで締め。料理とのペアリングは抜群で、特にナッツソースのパスタと白ワインの相性の良さは印象的でした。
お会計と満足感
この日の会計は27,830円。決して軽い金額ではありませんが、料理の質、体験としての充実度を考えればむしろ納得の価格設定です。何より「この店に来て良かった」と心から思える満足感がありました。
まとめ
「タヴェルナ ティベリーナ」は、クラシックなイタリアンをアラカルトで楽しませてくれる福岡の名店。前菜の一皿から名物のクッカーニャまで、すべてが記憶に残る美味しさでした。宮崎のらんぷ亭のシェフが「福岡で一番好き」と評したのも頷けます。
福岡を何度も訪れる中で、最終的に「やっぱりこの店が一番」と名前が挙がる。そんな存在感を放つお店です。美味しい料理を心ゆくまで味わい、幸せを感じさせてくれる——まさに食の桃源郷でした。
点数 4.4点
点数の意味
5—人生最後の日はこのお店❗️
4—人に勧めても間違いない
3—何度も通いたくなるお店
2—人にお勧めする時には選択肢に上がらないけど普通に美味しいよ
1—あんまり…かな
0—もう行かない





















